介護保険における「加算」とは?その問題点について

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悩む若者

本記事では介護保険の「加算」という制度について紹介します。また、その問題点を考えていきます。

その前に介護保険そのものを復習したいという方には、下記記事をご覧ください。介護保険の基礎的な情報をご紹介しています。

それでは、加算についてのご紹介をします。

 

加算とはどのような制度か?

介護保険には、たくさんの加算があります。加算とは、介護サービスのサービス内容によって料金が増加(または減少)することで、サービス料に付加されて事業所の収入になります。時間延長や送迎のように、利用者にわかりやすい加算もありますが、サービスの質の確保のために設けられたもので、職員の資格や体制強化などに付与する加算もあります。

加算を使えるのは厚生労働省に認められた「特定事業所」

この加算を使うためには、事業所は特定事業所として厚生労働省が認める要件を満たす必要があります。そうした事業所が加算を行うことを、「特定事業所加算」といいます。これは、質の高いサービスを実施していると認められた居宅介護支援事業所に対して、一定単位数を加算、つまり料金を上乗せできるという制度です。

 

加算方式の種類

では、「具体的な加算の内容」としてはどのようなものがあるのでしょうか。

代表的な加算の内容を下記でご紹介します。

訪問介護の場合

  • 夜間及び早朝訪問時加算
  • 深夜訪問時加算
  • 特定事業所加算Ⅰ~Ⅲ
  • 緊急時訪問加算(ケアマネが認めた場合)
  • 初回加算(サービス提供責任者が同行)

訪問看護の場合

  • 退院時共同指導加算
  • 初回加算
  • 複数看護師の訪問にかかる加算(30分未満)
  • 複数看護師の訪問にかかる加算(30分以上)
  • 緊急時訪問加算(ステーション)

加算は事業所の待遇向上に大切な制度

加算という仕組みは、事業所は利用者に望まれるサービスを提供することで、「割増された料金をいただける」ということですから、制度としては非常に良いものです。介護保険制度がはじまってから、介護関連の仕事で働く人たちたちがサービスの質を向上させ、厚生労働省もそれに見合うだけの数多くの加算の内容をつくりだしてきたわけです。そういう点から、加算は利用者にとっても事業者にとっても必要なものなのです。

サービスのクオリティを保つためにも、加算の利用には条件が必要になる

ただし、上記のように加算には様々な種類がありますが、基本的にはどれも適用するためには条件があります。きちんと一定の資格を有した専門職がいるかといった国家資格の有無を確認するのが主ですが、それ以外に一定の研修カリキュラ身を履修したものなどに付与される場合もあります。これらは、いずれも、サービスのクオリティを担保するものになります。

介護保険における施設の概要については下記の記事をご覧ください。

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居宅サービスにおける加算方式は十分に機能していない

しかしながら、この加算という制度は居宅介護において「十分に機能していない」という現実があります。理由は単純で、加算に伴ってサービス価格が上がると、介護保険の毎月の支給限度額を超えてしまうからです。そうなると、介護保険での1割負担ではなく全て自費となり、つまりおおよそ10倍もの料金になってしまうということです。

そのため、事業所も利用者も「サービスを減らさざるをえなくなっている」のが現状です。もしくは、やはり何度も訪問して欲しいと思っている利用者は、サービスを維持するために、加算を取得していない別の事業所にサービスを依頼するということになってしまいます

さまざまな要件をクリアして、優れた事業所(特定事業所加算)として認められているはずなのに、「肝心の消費者から選ばれない」という矛盾が起きてしまっているわけです。こうした問題は国も把握していますが、未だ解決策は出てきていません。

今後の特定事業所加算のあり方

ただ、現状でも特定事業所加算を改善する動きは進んでいます。2014年11月に行われた介護に関する社会保障審議会でも、厚生労働省から、「特定事業所加算」の要件を変えて3区分に再編することや、「特定事業所集中減算」の適用を拡大したりすることが提案されています。

これらが実現されれば、質の高いサービスを提供する事業者がきちんと評価されることになり、介護サービス全体のクオリティアップが期待できるでしょう。今後の動きを注視したいところです。

 

 

以上が、介護保険における加算の概要と問題点です。

当サイトでは、他にも介護保険についてさまざまな記事を書いています。下記の関連記事より、気になった内容をぜひご覧になってみてください。お読みいただき、ありがとうございました。

また、もっと加算について、他にも介護保険の仕組みについて深く学びたいということであれば、腰を据えて本を数冊読むのが一番です。下記オススメの書籍を2冊紹介します。介護保険に詳しくなれば、介護の現場でも、在宅の介護でもいろいろと便利になります。ぜひご覧になってみてください。

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