高齢者市場を開拓する新しい考え方、マチュリティ・マーケティング

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Old Guys and BusinessOld Guys and Business / Alex E. Proimos

 

「マチュリティ」とは何か?

「シニア、シルバー世代を対象としたビジネス」は、高齢化が騒がれだした1980年より、変化を重ねて来ました。1987年に博報堂の研究所による発表では高齢者世代の消費特性が「脇役演者」「自己拡大」「私事録伝」などという言葉で表現されましたが、それから10年後にも同じく博報堂より同様に「自分志向」「悠々志向」「上級志向」などということばでまとめられています。この頃から、高齢者はシルバーやシニアという言葉だけでなく、エルダーというポジティブな呼び名が使われるようにもなります。

このように、一口に「高齢者」といっても、時間とともにその特徴も変わってきているのです。昨今では「デジタルシニア」そして今、注目をされているのが、「マチュリティ -maturity-」という概念です。この言葉には成熟した大人、という意味があります

高齢者を知るきっかけとしては、下記の記事がオススメです。ぜひ、あわせてご覧になってみてください。

高齢者介護の参考書籍

介護保険は老いを守るか

尊敬を持って高齢者と接することの大切さ

そう、高齢者は「成熟した大人」なのです。介護施設では歳を取り判断能力の鈍った高齢の方が多くいますので、ともすると職員の方でもそれを逆手にとって入居者に対して失礼な言葉を使うという方が稀にいたりもします。ニュースでもそういったことが発覚することはありますよね。それは、つまり、年配であり、本来であれば尊敬に値するはずの入居者の方に対しての尊敬の念がないということになります。果たして、それで介護施設として優れたサービスが提供できるかには疑問があります。ですから、介護施設で介護を行う際にも、「大人として、相手を尊重して付き合えるかどうか?」という事がとても大切になるのです。

以上が、マチュリティ(成熟した大人)の概要です。マチュリティ、大人として、人をしっかり尊重して接することができること。これは介護施設においても考えなければならない言葉です。

高齢者を敬う気持ち、考え方がビジネスを加速する

上記のことから考えるに、高齢者介護において重要なのもこのマチュリティ、つまり「高齢者を敬う考え方」、そしてそれに沿った評価基準、マネジメント概念なのではないでしょうか。高齢者というと、心も体も機能が衰え、無気力、無感動な弱者であるという見方が一般的でしたが、マチュリティを考えると、シニア(高齢者)は、身体機能が低下しても精神機能は衰えず、それまで多くの経験をしてきた、尊敬すべき対象であり、世のため人のために貢献する意欲を持ち続ける人たちである、と見直すことが重要になります。

そうしてこそ、シニア層の人たちを動かすことができ、シニア市場でのビジネスの成功を実現させる鍵になるのです。その考え方をマーケティング理論としてまとめたのが、「アメリカ人のデヴィッド・B・ウルフ氏」です。

 

高齢者ビジネス戦略の中核としてのマチュリティ

高齢者をを上記のような捉え方でもって、マーケティング戦略を構築する手法を「マチュリティ・マーケティング」と言います。この理論によると、生活者のニーズは、人の成熟レベルによって変化し、商品等の購入時には、無意識のうちに、

  • 「アイデンティティ」
  • 「リレーションシップ」
  • 「センタリング」
  • 「アサブテーション」
  • 「コンサーベーション&リニューアル」

の5つの価値基準をもとに評価し、判断を下すようになるそうです。いずれを見ても、高齢者を弱者として認識するのではなく、それぞれ人としてどのような人間であるかという尊厳のもとに、特性を考えているように見受けられます

 マチュリティ・マーケティングの実践例

1990年代のアメリカでは、実際にこのマチュリティ・マーケティングを導入した銀行が、わずか1年で離職者を大幅に少なくし、かつ高齢の顧客の満足度を大幅に上げることに成功したそうです。この時やったことの一つが若いカウンター業務の社員に対して、「歳をとるとはどういうことなのか」「高齢者の趣向はどのようなものか」ということをレクチャーし、それらを踏まえた上で尊敬をの心をもって接客、コミュニケーションをする必要があるということを伝えたそうです。

その取組みとして上記のように離職者が減り、高齢者の預金高の増加という成果も上がるという変化を生み出しました。やっていることとしては、何も難しかったり、手間やお金がかかる内容ではありません。それにも関わらず、「離職者を大幅に減らす」という成果を出すことができているのです。

以上を考えると、日本の介護ビジネスにおいても、1日も早く、このマチュリティ・マーケティングの概念を導入することが求められているような気がします。老人ホーム、介護施設において、このように「高齢者を尊敬、敬う姿勢」が当たり前になれば、いくつもの問題が解決に向かうはずです。そもそも、このように高齢者を敬うという姿勢は、昔の日本にはあったように思いますが、近年失われつつあるように思います。日本全体において、このような考え方が広まることを期待します。

下記記事は、高齢者施設で働いている方の体験談ですが、実際に高齢者に接している方の多くが、介護職という仕事の価値について述べています。それも、自分より長く生きている高齢者の方から、きっと学ぶことが少なくないからではないでしょうか。ぜひ、下記の体験談もご覧になってみてください。

お金儲けではなく、利用者のための介護を目指して

介護の仕事を通して人間的に成長することができた

介護職は「人生をよりよく生きる」ための学校



 

 

お読みいただき、ありがとうございました。当サイトでは他にも老人ホームや、介護保険など、高齢社会に関する様々な情報を発信しています。下記に人気の記事を記載していますので、ぜひともご覧になってみてください。

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