リビングウィル(尊厳死宣言書)

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尊厳死宣言書は生かされたか(グラフ)

日本ではまだ馴染みのない考え方

尊厳死宣言書は、自らが「尊厳死」を望んでいるという考えを記した書類です。病気や自己で、回復の見込みのない末期状態になった時に、家族へのため、そして自身が「人間としての尊厳を保ちながら死を迎え」ために必要なります

アメリカでは普及しつつあるが、日本では賛否両論

アメリカなどでは活発になりつつある考え方ではありますが、日本ではまだまだ賛否両論であり「受け入れられているとは言えない」状況です。下記では、尊厳死の成立ちなどから始まり、実際の書式や書き方に関してもご紹介をします。

尊厳死を考えるにあたっては、下記のような内容も参考になります。あわせてご覧になってみてください。

 

尊厳死とは何か?

尊厳死とは、現在の医学で回復の見込みが無い場合に、過剰な延命治療をせず、人間としての尊厳を保って、生に終止符を打つことです。

発祥と歴史

この考え方はアメリカ発祥のもので、英語ではリビング・ウィルといいます。イギリスの安楽死運動をもとに1938年に発足したアメリカの安楽死協会が、1967年に「リビング・ウィル」の原型をつくり、普及運動を開始しました。徐々に人々に知られるようになり、今では300万人を越える人が登録しているそうです。2014年10月には自ら尊厳死をすることを宣言したある20代のアメリカ人女性がアメリカはもちろん、日本でも大きく話題になりました。

ターミナルケアについて

この尊厳死を保つために必要なのがターミナルケアです。ターミナルケアとは、死期の近い終末期において、心のケアと、痛みに対するケア(ペインコントロール)を中心とする医療および看護のことです。死に対する恐怖と痛みを緩和することから、「緩和ケア」とも呼ばれます。ターミナル期の時期によっては、患者本人の意識を失われている可能性が高いため、事前に延命行為の是非に関して宣言するリビング・ウイルが尊厳死を実現させる大切な手段となります。

安楽死との違い

尊厳死と似ている言葉に安楽死があります。これらの違いは簡単に言えば、「誰」が決めるのかです。第三者に決められるのが「安楽死」、本人が決めるのが「尊厳死」となります。法的な観点で言えば「安楽死」、「尊厳死」ともに日本では合法とはなっていないために、医療現場でもやむなく延命措置を続けられることが少なくないそうです。

アメリカでは法制化の動きも進んでいる

このような事態をうけ、法制化する動きは近年活発になっています。尊厳死という言葉自体も徐々に日本でも認知されつつあり、少子高齢化が進む日本においては重要になってくる考え方だと言えるでしょう。実際、上述した2014年10月のアメリカ人女性の尊厳死宣言をめぐって、ポータルサイト「Yahoo!」で行われた日本人向けのアンケートでは、10万人以上が投票して8割以上が「尊厳死を認めるべき」という回答だったそうです

 

尊厳死宣言書の必要性

次は、尊厳死を宣言書という形で意思表明することがなぜ必要なのかをご説明します。

延命措置における問題点

現代医学は患者の最後まで治療を施すという考え方のもと、医療技術を進歩させてきました。そのおかげもあって、日本人の寿命は男女とも世界でもトップクラスになっています。しかしながら、一方で、ただ活かすことだけを目的とした延命措置が患者を苦しめているのも事実です延命措置とは、回復の見込みがない患者に人工呼吸器や透析などによって、ある種強制的に生命を維持している状態のことを言います。

生きていても、意識があっても、人工呼吸器では話したり、身体を動かしたりはできませんし、何より原疾患による痛みと闘わなくてはいけないことがほとんどです。「このことへの批判は決して少なくありません」。

患者の自己決定権の向上

上記のような末期状態に陥ることを回避したい、また、それによる家族への経済的・精神的負担を避けたい、という考えを持つ人が近年は増えてきています。また、医療現場においても、セカンドオピニオンなどからも見られるように、患者の自己決定権を尊重する考え方の必要性が評価されるようになってきました。つまりは、自分の身体、家族の身体なのだから、医師に任せきりにせずに、大切なことは自分たちで決められる時代が来ているということです。

尊厳死が法的に認められていない現状

とはいえ、上述したように日本においては尊厳死が未だ合法化されていません。どのような理由であれ、延命治療をやめる行為は、殺人罪に問われるおそれがあります

また、医者としては、回復可能性が未確定である患者への治療をやめることは、医療倫理、そして医師としての信念に反するということもあり、現状では安易に延命治療を中止することはできません。昔よりはずっと議論は進んだものの、未だ多くの医療関係者が消極的であることは覚えておくべきでしょう。

日本でも尊厳死宣言書が認められるようになってきている

しかしながら、尊厳死宣言書があれば、そのような状況は多少変わってきます。日本尊厳死協会によれば、家族の承認、2人以上の医師の判定、そして「尊厳死宣言書」(つまり、本人の意思)があることで、95%近いケースで尊厳死が認められているそうです。このように、尊厳死宣言書があることで訴訟トラブルや家族に大きな負担を強いることを避け、本人が人間らしく安らかに、自由と尊厳のある死を迎えることができるようになります。

なお、尊厳死宣言書は「存命中」、特に判断能力も十分な元気なときに作成する必要があります。いつ、事故にあったり、急遽倒れてしまうかは、全くわからないものだからです。脳卒中で倒れ、意識不明の植物状態になってしまう可能性も、高齢期であるがゆえに十分あります。判断能力がんなくなってしまってからでは、宣言書の作成は難しく、先に述べたような家族への負担や訴訟トラブルへと発展する可能性も少なくありません。

 

書き方・書式

尊厳死宣言書は、一般には「形式は自由」で誰でもつくることができます。ただ、記載の必要がある情報や、正しい書き方を自身で調べるのは手間がかかります。「日本尊厳死協会」という一般社団法人が、独自の形式で書式を用意していますので、ご利用を検討されている方にはこちらをおすすめします。また、公的な信頼を確かにしたい場合には、遺言書や任意後見契約書などと同様に、公証役場にて「公正証書」で作成することもできます。

記載必須事項

尊厳死宣言書には、かならず次の5点を盛り込む必要」があります。

  • 現代の医学で不治の状態に陥り、すでに死期が迫っていると担当者を含む2名以上の医師により診断された場合、延命措置を拒否すること
  • 苦痛を和らげる処置は最大限利用する意思表示
  • 尊厳死宣言書作成について、家族の同意を得ていることと、その証明
  • 医師や家族に対して法的責任の面積
  • 当該書式が判断能力のある時に作成したもので、本人が撤回しない限り有効であることの意思表示

 

 

以上が、リビング・ウィル(尊厳死宣言書)の概要です。当サイトでは他にも、高齢者介護全般についての記事を書いています。下記の関連記事もぜひあわせてご覧になってみてください。お読みいただきありがとうございました。

ちなみに、上記ではアメリカの例をとりあげましたが、安楽死や尊厳死、平穏死、こういったキーワードについては北欧をはじめとして世界各国でも盛んに議論されてきました。このあたりを深く知るには、やはり書籍等でしっかりと知識を吸収することが大切です。下記のような書籍がありますので、ぜひご覧になってみてください。

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